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猫の視界の特徴と見えている景色!人間の目との細胞による違いとは?

更新日:2024年09月15日

猫にはどのような世界が見えているのだろうと興味を持ったことのある方もいらっしゃるでしょう。猫の目と人間の目にはさまざまな違いがあるので、猫は私たちとは違う世界を見ています。この記事では、猫の視界の特徴や見えている世界、猫の目と人間の目の違いなどをご紹介します。

猫の視界の特徴と見えている景色!人間の目との細胞による違いとは?
猫の目の視界は、本来の狩猟動物としての機能に特化しています。

近くにいる小型の獲物を捕らえるために必要な動体視力に関しては非常に優れていますが、遠くの物を見る能力は低く、人間と比べると大きな違いがあります。

猫の目の視界の特徴

  1. 人間よりも桿体細胞が多くある
  2. 6メートル程度までしかはっきり見えない
  3. 動体視力が優れている
  4. テレビを見るのは獲物が動いていると思っている

猫の目の視界の特徴1:人間よりも桿体細胞が多くある

前述したように、猫の目には人間よりも多い割合で桿体細胞が存在します。

桿体細胞は光覚に影響を及ぼす視細胞であり、わずかな光しかない暗闇でも、視界を確保することができます。

前述した「タペタム」構造の機能もあり、人間と比べると、およそ7分の1程度の光量でも十分な視界を確保できます。

反対に、錐体細胞は少ないため色覚は弱く、モノトーンで世界が見えていると推測されますが、狩猟生物である猫にふさわしい進化の結果、このような目の構造になったのです。

猫の目の視界の特徴2:6メートル程度までしかはっきり見えない

猫の視力は低く、はっきりと像を認識できる距離は6m程度です。人間の基準だと視力0.2相当になります。

猫は眼球の大きさから、視覚の焦点が極めて近く、はっきりと物体の形を認識できる距離は2~6mまでの距離しかありません。

また、焦点を合わせる筋肉が発達していないため、近すぎてもよく見えず、2m以内の物に関しては、存在は認識できても形まではよく分からない状況です。

反対に、遠いものは動かない物だと10~20mぐらいまでが限界で、それ以上の距離だと、ほとんど形の認識もできなくなります。

猫の目の視界の特徴3:動体視力が優れている

遠いものの認識は苦手とお伝えしましたが、視界内で動くものに関しては話が変わってきます。猫は50m以上離れたものでも、動くものであればきちんと認識することができます。

元々狩猟動物である猫の動体視力は、非常に進化しており、暗闇の中でも数十m先で動くネズミなどの動きを正確に察知し、獲物として認識して狩りに向かうことができます。

また、この動体視力の良さは、飼育されている猫にとっては、支障となることもあります。

猫の目の視界の特徴4:テレビを見るのは獲物が動いていると思っている

猫がテレビの前で動かずに画面をじっと見つめるのは、テレビの点滅を認識して、獲物がいると勘違いしているためです。

人間には動画にしか見えないテレビですが、技術的には、1秒間に数十枚の静止画を連続して映し出すことで動画として映し出されています。

猫はテレビが流す連続した静止画を点滅として認識しており、その点滅を大量の獲物が動いていると誤認してしまいます。

同様に、蛍光灯などを見つめる動作も人間には認識できない点滅を獲物の動きとして認識しています。

猫の目の視界の特徴を知ろう

猫の目の視界は、人間のものとは目の構造の段階から大きく違っています。

単純な視力の強弱や視野の広さといった違いだけでなく、それぞれの認識能力の違いなどが生物としての進化の過程の違いを感じさせてくれます。

皆さんも猫の見る世界に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

初回公開日:2019年08月27日

記載されている内容は2019年08月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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