パピーミルとは？その意味やブリーダーとの違いなどについて紹介

「これから犬を飼おうと思っているんだけど、どんなことに気をつければいい？」
「そもそもパピーミルってなに？」
「パピーミルの犬かどうかって、どうやったら分かるの？」
犬をこれから飼う予定の方、あるいはすでに飼っている方、パピーミルという言葉をご存知でしょうか。

ニュースなどであまり取り上げられない話題なので、ご存じない方も多いのでしょう。

そこで今回はパピーミルとはどのようなものなのか、どういった問題があるのか、またパピーミルに加担しない方法を解説します。

本記事を読むことでパピーミルの現状や、パピーミルによってどのような影響が出てくるのか、知ることができるでしょう。

これから犬を飼う予定の方は、ブリーダーとパピーミルの違いについても解説するので、ぜひ購入する際の参考にしてください。

パピーミルは英語表記にするとpuppy millとなり、直訳すると子犬の工場となります。名前だけ聞くと可愛らしく感じる方もいるでしょう。

ですが実際のパピーミルとは、利益を重要視しており、犬を道具のように扱い大量繁殖させる悪質な業者、あるいはブリーダーのことをパピーミルと呼びます。

では、その実態を詳しく見ていきましょう。

前述したように、パピーミル業者は利益を重要視しており、犬の飼育環境や食費などのコストを抑えるようにしています。

さらに犬を道具のようにしか思っていないため爪切りなどの手入れはされず、飼育環境は劣悪で糞尿などの処理はされません。散歩にも連れて行ってもらえず、狭いケージに入れられたままということも少なくありません。

フードも必要最低限の栄養が取れる程度のものなので、毛艶は悪く、どんどんやせ細っていきます。

そして子犬を産むことができなくなった母犬や老犬などの、パピーミル業者にとって利益を生まないと判断された犬は不要犬と呼ばれ処分されます。

また引き取り屋という、パピーミル側がお金を支払うことで不要犬を引き取ってもらう業者が存在します。

ですが、引き取り屋での飼育環境も劣悪なものです。パピーミルから引き取られた不要犬は糞尿まみれの狭いケージに入れられ、ケアもされず、病気があっても治してもらえないまま過ごすのです。

ちなみにパピーミルのような悪質な業者は犬だけにとどまらず、猫や小動物のを扱う業界にも存在します。

パピーミルで生まれた子犬たちはオークションにかけられます。

オークションでは魚や野菜の競り市と同じように、犬がダンボールに入れられてベルトコンベアーに乗せられます。落札された子犬は、ペットショップへ運ばれていきます。

オークションを介さずパピーミルと直接契約しているペットショップもありますが、犬を安く大量に仕入れる必要がある比較的大きい規模のペットショップは、オークションを利用することが多いです。

パピーミルでは、子犬を大量に産ませるために母犬の体のことを考えず、発情期が来るたびに繁殖させ子犬を作らせます。

当然、母犬の体には大きな負担がかかり、健康でない母体から生まれた子犬の健康状態もよくありません。帝王切開で子犬を取り出すことも多く、何度も帝王切開された母犬のお腹には傷跡が残ります。

過去にはブリーダーが無麻酔で帝王切開をするという事例もありました。

パピーミルの犬たちには、健康面の他にも様々な問題があります。

また犬だけの問題ではなく、人間社会にも影響があり無関係ではありません。私達の行動によってはパピーミルが得をしてしまう可能性もあります。

どのような問題点があるのか、よく見ていきましょう。

パピーミルの飼育環境は劣悪で、栄養も取れていないため健康状態に問題を抱えている犬が多く、感染症にかかっていたり、寄生虫が寄生している場合もあります。

また、健康状態が悪い母犬から生まれた子犬は病気になりやすいです。近親交配された子犬は骨格が異常であったりと、遺伝性の病気を持って生まれてくる子犬もおり、一般的な犬の見た目とは違う形になってしまいます。

そういった犬は売れなくなってしまうので処分されます。

パピーミルの犬を助けたいという気持ちから、飼ってあげたいと思われる方もいるでしょう。

ですが無闇にペットショップで購入してしまうと、パピーミルに利益が出ます。利益が出ると分かればパピーミルはさらに子犬を量産します。

さらに問題なのは子犬の価格です。パピーミルから量産された子犬は安い価格でオークションにかけられます。安く大量に仕入れたいペットショップはこれを大量に仕入れ、そしてまたパピーミルは子犬を大量に量産する。

これを繰り返すことによりペット業界の子犬は、パピーミルで育てられた子犬だらけになります。