どうして猫の尻尾は膨らむの？しっぽが膨らむ猫の気持ち6つ

では、猫の尻尾が膨らむ時には猫の体の中でどのようなことが起こっているのでしょうか。猫の尻尾が膨らんでいる時にはそこでは驚く体の不思議が起こっています。

ここでは、猫の尻尾が膨らむ時に起こることや、猫の尻尾が膨らむ理由についてご紹介します。

猫の尻尾が膨らむ時は猫の感情と大きく関係しています。特に驚いた、怖い、警戒したなどの感情の時に尻尾が膨らみますが、これは猫の交感神経と関係があります。

猫の尻尾の毛根には小さな筋肉の組織があります。ある状況により、猫の交感神経が興奮することによって、筋肉が引き締まります。

人間もびっくりしたり興奮したりした時に鳥肌が立つことがありますが、猫は「鳥肌」の代わりに尻尾が膨らむと考えるとわかりやすいです。

猫の尾付近には、立毛筋があります。この筋肉はその文字どおり毛を立たせる役割を果たす筋肉のことです。

この立毛筋は猫の毛穴付近に存在しています。そして、立毛筋が収縮することによって猫の皮膚が引っ張られて毛が逆立ちます。人間が鳥肌を立てるのと同じ原理です。

この立毛筋は猫全身にありますが、特に尻尾付近に多く存在しています。それで猫が驚いたり、怖がったりと感情の変化があるときにまず、尻尾に変化が現れやすいということになります。

猫の立毛筋の収縮には交感神経とアドレナリンが関係しています。猫が何かに刺激されて交感神経が緊張したとき、アドレナリンが分泌されます。

分泌されたアドレナリンは立毛筋に作用し、立毛筋が収縮します。それによって毛穴付近が刺激され、猫の尻尾が膨らむ状態になります。

このように、尻尾は猫の無意識な感情を表しているバロメーターだということができます。猫の尻尾の膨らむ時に注意深くあることで、猫の気持ちを察してあげることができるでしょう。

尻尾は膨らむことによって、猫の感情がわかったりと猫の気持ちが伝わりやすい場所ですが、猫の尻尾は他にも重要な役割を果たしています。

ここでは、猫の尻尾が持つ4つの役割についてご紹介します。ますます猫の尻尾の大切さについて知ることができるでしょう。

猫の尻尾には、「臭線」という器官があり、そこから自分の匂いを分泌することができます。そして猫は自分の尻尾を擦り付けてマーキングを行います。

マーキングを行なっている猫を観察してみると、尻尾を使ってマーキングを行なっていることが多いのに気づかれるでしょう。

猫が尻尾を擦り付けているときにはあまりちょっかいをかけずに、そっとしてあげることをします。

猫は高いところに軽々と登ったり、足場の悪いところを平気で走ったりするなど、高い身体能力を持っています。

そして、猫の体のバランスを保つ役割をしているのは尻尾です。猫は動いている途中でバランスを崩しそうになったときには、尻尾を大きく動かします。

尻尾を動かすことによって骨盤の位置を調節し、体の平衡感覚を保っています。このような尻尾の動きによって猫は不安定な場所でも落ちることなく、活発に運動することができます。

猫は寒さが苦手な動物です。寒いところに来たら敏感になり、体を温めようとします。猫は大きな尻尾を防寒具として使います。

冬にまるくうずくまっている猫を見かけた方は多いのではないでしょうか。そのとき猫は尻尾をくるりと体に巻きつけています。

このようにすることで猫は少しでも暖をとり寒さ対策をしています。人間が寒いときにマフラーを首に巻いて寒さ対策を測るのと同じ感覚です。

猫の尻尾は感情表現にも使われます。例えば嬉しいときや甘えているときは尻尾が垂直になります。

尻尾がだらんと下がっているときには、何かの理由で落ち込んでいる時や、体調が悪いときです。また、尻尾を大きく振っているときにはリラックスしている時や機嫌が良い時です。

飼い主の声に反応して数回尻尾をふるときには、「面倒くさいから動きたくないけど、返事だけする」という猫の気持ちが現れています。このようにちょっとした尻尾の動きで猫の感情を察することができます。