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ライオンの生態|オスとメスの体の大きさや食事をする順番も解説

更新日:2024年02月29日

「百獣の王」と呼ばれるライオンですが、皆さんはその強さについてどんなことをご存知でしょうか?本記事では強さの特徴の他に種類、群れなどいろいろなライオンの生態について解説します。ライオンや動物に関心があれば、是非チェックしてみて下さい。

ライオンの生態|オスとメスの体の大きさや食事をする順番も解説
一般的に、ネコ科の動物は単独で生活しますが、ライオンは社会性が高く、ネコ科の中で唯一群れを形成します。

この群れは「プライド」と呼ばれていますが、なぜ「プライド」というかには諸説あり、明確なことは分かっていません。15世紀頃からそう呼ばれているようです。

プライドを形成する理由については、子孫を残し、協力して狩りを行い獲物を効率よく手に入れるためと考えられています。また、ハイエナの群れに対抗するためという説もあります。

プライドは、オス1~数頭と、オスの倍以上のメス、子ども多数で形成される群れです。プライドの大きさは、一般に生息する場所の獲物の量に比例し、獲物が多いと大きなプライドが形成され、少ないと小さなプライドとなります。

プライドのオスとメスに血縁関係はありませんが、メス同士は姉妹や母子などの血縁関係があります。

そのため、メス同士の絆は強く、基本的に生涯を通して同じプライドに属します。仲間と関係がよくない時や食料に困っている際など、例外的に子どもを連れてプライドから外れることもあります。

ボスはオスですが、実はプライドは女性優位の社会です。新しく群れに入った若いライオンたちは、ボスになるためメスに気に入られようとご機嫌を取ります。

メスに気に入られなければプライドを追い出され、厳しいノマドに戻ることになるからです。実は、ボスを決めているのはメスライオンであることを知っておきましょう。

オスライオンが子殺しをするのはなぜ?

前述したように、ノマドはボスを倒し既にあるプライドを乗っ取ります。その後、驚くべきライオンの生態が見られます。なんと、前のボスの子どもたちを皆殺しにしてしまうのです。

これは、新しいボスが自分の遺伝子を効率よく残すためと考えられています。子どもがいる状態だとメスは発情しないので、新しいボスは自分の子どもをつくれません。そこで、元々いた群れの子どもを殺すのです。

子どもがいなくなると、しばらくしてメスライオンはまた発情期を迎えます。こうして新しいボスは自分の遺伝子を残すことができるのです。

新しいボスは必ずしもメスたちに快く迎え入れられるわけではないので、時にメスライオンは抵抗したり自分の子どもを隠そうとします。ですが、多くの場合その行動は無駄に終わり、母子ともに殺されてしまうこともあります。

しかし、メスのインドライオンにはこの「子殺し」を防ぐ奇策があることが判明しました。それは、メスのライオンが縄張りにやってきた複数のオスと交尾するということです。こうすることで、全員のオスに自分の子どもだと思わせるのです。

実際に研究者たちがメスのインドライオンの行動を追っていると、メスたちは縄張りにやってきた全てのグループのオスと交尾していました。そして、メスたちの子どもは1頭も殺されることがなかったのです。弱肉強食の世界で強い子孫を残していく動物の生態と、母親の愛情の強さを同時にうかがい知ることができます。

オスにたてがみがある理由

ライオンの生態を特徴づける、頭から肩にかけてのたてがみは、オスだけにあります。たてがみは、1才半頃から生え始め5歳頃まで伸びます。その後、黒みのある濃い茶色へと色が変わっていきます。そのため、ライオンはたてがみの長さや色を見れば年齢の見当がつきます。

たてがみは、肉食動物の生態として体を大きく見せて威嚇したり闘いの際に急所を守ったりする役割があると長い間考えられてきました。しかし、ライオンの生態に関しての最近の研究では別の意味が考えられてきています。

研究で、オスの模型を置き鳴き声を流してみると、近づいてきたオスライオンは模型の腰を攻撃しました。これではたてがみの意味がありません。

次に、色が濃いたてがみと薄いたてがみのオスの模型を置いて鳴き声を流しました。すると、多くのメスが色の濃い方の模型に集まりました。

これは、敵を倒して自信がついた時にテストステロンというホルモンを分泌するという、ライオンの習性によるものです。

このテストステロンが、たてがみをより黒く長くしています。メスには、子孫繁栄のためにより強いオスを求める生態があることから、たてがみはよりメスを惹きつけるためのものではないかと考えられているのです。

ホワイトライオンとはどんなライオンなの?

ホワイトライオンとは、名前の通り体毛が白いライオンです。茶色のライオンのアルビノではなく白変種です。

アルビノとは、色素が欠乏し白色または著しい淡色となった動物個体のことです。その多くは、病理的原因ではなく、遺伝的に決まります。白変種とは、突然変異によって色素が減少し、体毛などが白く変化した動物個体のことです。

生息数は少なく、世界で300頭程しかいません。動物園では比較的多くみられ、野生でも南アフリカで2つの群れが確認されています。アフリカでは「神の使い」とする伝承があります。

ホワイトライオンが希少なのは、その白さゆえです。体が白いと狩りの際に獲物から見つかりやすく逃げられてしまうのです。

そして、獲物をうまく捕らえられず餓死してしまうこともあります。また、ハイエナの群れに捕食されてしまうこともあります。

遠い昔の氷河期にはこのような状況ではありませんでした。雪や氷の世界では白色は保護色となるため、敵から身を隠したり獲物に近づいたりすることが容易でした。その頃には、ホワイトライオンが繁栄していたと考えられています。

逆に、その生態が仇となって生存しにくい環境となった現在では、ほとんどが人に管理されている状況となっています。

百獣の王と呼ばれているライオンは動物の中で本当に強いの?

圧倒的な迫力があり動物園の人気者で「百獣の王」と呼ばれるライオンですが、なぜ「百獣の王」と呼ばれるのか明確な理由はわかっていません。

おそらく、金色のたてがみを携える威風堂々とした様や、一頭のボスが群れを率いる生態が、まるで王のような姿に見えるため、そう呼ばれるようになったのではないかと言われています。

では、強者の象徴とされるライオンの、実際の強さはどれくらいなのでしょうか。

ライオンは、圧倒的に強いわけではなく、サイやカバに負けてしまうこともあるなど、狩りの成功率は25%程と言われています。ゾウやキリンなど、自分より何倍も大きい獲物を狙うこともありますが、成功率はさらに下がります。

むしろハイエナの方が狩りの成功率は高く、持久力や噛む力もライオンよりあるでしょう。

しかしながら、ライオンの狩りの生態に着目すれば、メスたちが連携して行うチームワークは優れたものです。

また、外敵が現れたり、メスが大型の動物に苦戦していたりするような場合に活躍するオスの姿は、まさに組織に君臨するボスの姿と言えるでしょう。

実際にも、大型の動物を相手とした優秀な狩りの姿が目撃されています。

このように何をもって「強い」と言うのかは、場面によって評価も変わってきます。

どうあがいても、他の者が敵わないような「絶対的な強者」というわけではありませんが、「王」とも呼ばれる優れた点や厳しい自然の中での生き様は見てとれるのではないでしょうか。

初回公開日:2022年11月15日

記載されている内容は2022年11月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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