スズメの寿命は野生と飼育下でどれくらい違う？ペットとして飼えるかも解説

「スズメの寿命ってどのくらいなの？」
「ペットとしてスズメを飼育してもいいの？」
「スズメの生態を知りたいなあ」
身近な場所でよく見かけ、親しみやすい野鳥の一種とされるスズメですが、その生態や寿命などは知らないことが多いと感じている方もいるのではないでしょうか。

この記事ではスズメの種類や寿命と生態、ペットとして飼ってもよいのか、スズメが減少している原因について解説しています。食用としてのスズメと人間の関係性についても紹介します。

記事を読むことによってスズメの寿命や生態がわかり、より一層身近な存在として親しみを感じられるようになるでしょう。

スズメが好きな方、スズメの生態や歴史に興味がある方はぜひ参考にしてください。

スズメの寿命について、詳しいことはよくわかっていません。

調査があまり行われていないこと、スズメは巣立ち後に分散してしまうために個体ごとの寿命調査が難しいのが主な理由です。

野生、飼育下といった環境によってスズメの寿命に違いがあるのかを見ていきましょう。

環境省の調査によると、自然条件下のスズメの最長生存記録は2,293日です。

これは捕獲して標識をつけたスズメを放ち、次に捕獲された日数までをカウントしたもので、少なくとも6年は生きたということがわかります。

天敵に襲われることも多いスズメは成鳥になるまでの生存率が低く、実際の平均寿命は約2年程度だと言われています。

出典：59．スズメ　回収記録｜生物多様性センター(環境省 自然環境局)
参照：https://www.biodic.go.jp/banding/pdf/atlas_low_3.pdf

人間に飼育されたスズメでは、15年生きたという記録が残っています。

飼育下のスズメは餌不足や外敵に襲われる心配が少なく、病気やケガの際に手当てをしてもらえるため、野生のものよりも長生きすることが多いのです。

しかし、飼育下であっても10年以上生きるスズメは少なく、6年程度が一般的な寿命だと言われています。

住宅地や公園、街路樹の上など、さまざまな場所で目にするスズメですが、その生態については意外に知られていません。

ここからはスズメの種類や生息地、餌などの生態について具体的に見ていきましょう。

鳥類分類のスズメ目スズメ科スズメ属には約15～20種類が存在します。そのうち、日本に生息しているのはスズメとニュウナイスズメの2種類です。

一般的に目にするのはスズメで、日本全国に生息する留鳥です。頬に黒い模様があり、雌雄同じ色をしています。

ニュウナイスズメには頬に黒い模様がなく、目の上に白い線があるのが特徴です。雄と雌で羽の色が異なります。本州以北の山林などに生息し、季節ごとに移動する漂鳥であるため、スズメよりも目にする機会は少ないでしょう。

スズメは北海道から沖縄までの小笠原諸島を除く全国に生息し、1年中見られる小鳥です。

市街地や住宅地、里山など人間に近い場所で暮らす留鳥ですが、一部の離島では渡り鳥として飛来した記録があります。

海外ではユーラシア大陸から亜熱帯、ヨーロッパの農耕部などに広く生息し、人々に親しまれている小鳥の一種です。

アメリカ合衆国には19世紀に持ち込まれましたが、現在はミズーリ州とイリノイ州の一部にのみ分布しており、あまり一般的ではありません。

スズメは雑食性で、穀物の種や花の蜜、虫などが主食です。

人間に近い場所に生息しているため、お菓子のくずやパンなども食べ、時には生ゴミをあさることもあります。

春になると、桜の花の根元にある蜜を吸うために花をちぎるスズメの姿が見られます。これは「盗蜜」と呼ばれ、桜の木にとっては迷惑な行為ですが、桜の花をくわえたスズメの姿が愛らしいと評判です。

田んぼでは稲を荒らす一方、稲の害虫を捕食する鳥でもあるため、農家にとっては時に悩ましい存在でもあります。

3～8月の繁殖期は、スズメの巣作りのシーズンです。

人目に付きにくく、天敵が入り込めない場所を選んで巣を作ります。木の枝の間や穴の中などを好みますが、民家の軒下や屋根のすき間などに作る個体もいます。

巣の材料は植物の茎や藁、長い葉などが中心です。しっかりした素材で土台を作り、中にはやわらかい草を敷き詰めて形を作ります。巣を作る場所によって大きさは変わりますが、お茶碗程度のものが一般的です。

巣には一度に数個の卵を産み、餌を運んで雛を育てます。雛が飛べるようになると、公園などで親鳥が雛に口移しで餌を与える姿に出合うことも珍しくありません。