フィリピンオオコウモリは日本にいる？生態や特徴・見られる場所も紹介

一般的なコウモリの寿命は5年程度とされています。それに対してフィリピンオオコウモリの寿命はおよそ10年程度と、ウサギなどと同程度の寿命を持っていると言われているようです。

ただ、野生のコウモリはエサが豊富な環境でなければ長生きすることは難しいとされているため、場合によってはもっと短い可能性もあります。動物園など人工的に飼育されている場合は、20年以上生きる場合も少なくないです。

そもそも、コウモリ自体の生態がよくわかっていない部分も多いので、あくまでフィリピンオオコウモリの寿命に関しては、ある程度の予測から算出されているものだと考えられています。

フィリピンオオコウモリの天敵として考えられるのは、フクロウやヘビ、タカです。これは、一般的なコウモリの天敵として挙げられるもので、特にフクロウは同じ夜行性の動物として天敵だと言われることが多くなってます。

フクロウの方がコウモリよりも身体能力が高いことが理由として挙げられており、視力も飛行能力もコウモリよりも優れているフクロウに食べられてしまうことが少なくないです。体が大きくても、フィリピンオオコウモリではフクロウに適いません。

ヘビは木登りできることからぶら下がっているコウモリを食べてしまうことがあるほか、タカもコウモリよりも身体能力が優れているため、エサとして食べられることがあります。

ここまで紹介してきたフィリピンオオコウモリですが、実は絶滅寸前であり、絶滅危惧種になっていると言われています。

その原因はフィリピンオオコウモリが食用としてハンターに駆られていることにあり、コウモリを食べる習慣がある国や地域に輸出されているためだと考えられているようです。

ほかにも、住みかとしている原生林が伐採されていることや、果実を食べることから害獣扱いされて駆除されていることなどが、絶滅に拍車をかけているとされているようです。

実は、日本に生息しているオオコウモリも絶滅危惧種として環境省に指定されているなど、オオコウモリそのものが絶滅する可能性があると考えられています。そのため、フィリピンにはコウモリを保護するための施設があるのです。

出典：絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令｜環境省
参照：https://www.env.go.jp/content/900524668.pdf

フィリピンオオコウモリは熱帯地域に生息しているオオコウモリなので、前述した生息地以外では野生のものを見かけることはありません。そのため日本には生息していませんが、伊豆高原にあるシャボテン動物公園で見ることが可能です。

ちなみに、日本に生息しているオオコウモリはオガサワラオオコウモリとクビワオオコウモリ、アブラコウモリのみであり、それ以外の種類が野生で日本国内に生息していることはないとされています。

このような点から、フィリピンオオコウモリを見たい場合は、日本国内であれば伊豆高原のシャボテン動物公園、海外であればフィリピンにあるBat Kingdomと呼ばれる場所がおすすめです。

フィリピンオオコウモリを含めた野生のコウモリに関して注意しなければいけないのが、病気の感染源としてウイルスを媒介してしまうという点です。

コウモリはオーストラリアリッサウイルスなど様々なウイルスを持っており、集団で生活をする習性を持っている動物であることから、元々ウイルス感染を起こしやすい傾向があります。

その状態で果実や動物をエサとして食べるので、コウモリがエサとしているものにもウイルスが感染してしまいます。そうしてどんどん感染が拡大していくうちに人間にも感染してしまうリスクが高いため、野生のコウモリとの接触は避けた方がいいと考えられています。

出典：コウモリと人の健康｜厚生労働省検疫所FORTH
参照：https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2011/07291544.html

人間サイズの大きさであるとSNSで情報発信されたことで話題となったフィリピンオオコウモリですが、実際の大きさに関しての真偽は不明となっているため、安易にネットの情報を信じることは避けた方がいいです。

ただ、フィリピンオオコウモリは翼が大きいことから、サイズが大きいオオコウモリの一種であることは確かだとされています。それでも生態や特徴に関してはわかっていない部分もあるので、正しい情報を得ていくことが大切です。

日本では野生のフィリピンオオコウモリはいないものの、伊豆高原にある動物公園でその姿を見ることができるので、興味があるという人は足を運んでみるのも良いでしょう。