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最大1134kgを超えるとされるコディアックヒグマとは?生態も解説

更新日:2024年07月31日

地上最大と謳われるホッキョクグマ以上大きさになるクマがいることを知っていますか。この記事では、コディアックヒグマについて生態や特徴をはじめ、他の種類のクマとの比較結果などを詳しく紹介しています。クマに興味がある人は、ぜひチェックしてみてください。

最大1134kgを超えるとされるコディアックヒグマとは?生態も解説
「あまり聞かない名前のコディアックヒグマって、どんなクマ?」
「コディアックヒグマは1134kgもの巨体と聞いたけど、他のクマとどれくらい違うの?」
近年、クマが餌を求めて人里に現れるニュースを見かける機会が増えたこともあり、クマに対する興味が刺激されたことはありませんか。

この記事では、ヒグマの1種であるコディアックヒグマについて取り上げています。生態や特徴はもちろん、その大きさの理由や、コディアックヒグマに襲われた事件について紹介します。

この記事を読むことで、コディアックヒグマに対する知識が得られるでしょう。改めてクマの恐ろしさを実感することもあるかもしれません。

クマが大好きな人やコディアックヒグマに興味のある人は、ぜひチェックしてみてください。

最大クラスの大きさといわれるコディアックヒグマとは

最大1134kgを超えるとされるコディアックヒグマとは?生態も解説
コディアックヒグマは、ホッキョクグマに匹敵する大きさのヒグマの亜種です。

別名でアラスカヒグマと呼ばれることから、英名は「Kodiak bear」「Kodiak brown bear」「Alaskan grizzly bear」の3種類があります。学名は「Ursus arctos middendorffi」ですが、古い書籍の中には「コディアックグマ」や「アラスカアカグマ」などの名前で記載されていることもあります。

生息地域は、アラスカ州の沿岸部コディアック諸島の島々です。寒いイメージがあるアラスカですが、コディアック諸島の近くには暖流が流れ、穏やかな気候が1年中保たれています。

そのためコディアックヒグマの住処は、トウヒやモミといった針葉樹に覆われた山や、次々とサケが産卵にやってくる川揃いなど、恵まれた環境で構築されています。

コディアックヒグマの生態・特徴は?


コディアックヒグマの体重は200〜600kgほどです。メスよりもオスの方が大型化する傾向があり、オスの平均体長は約2.4mと言われています。

体の大きさから悠然と歩いている印象を受けるかもしれませんが、コディアックヒグマが全力で走った場合、時速60km程度になります。これは、シマウマやライオンなどに匹敵する速さです。

生態系の頂点に属するコディアックヒグマですが、食生は雑食です。普段は果実や花、植物などを食べています。基本的に縄張りを持たず、単独で行動しますが、冬眠の時期が近づくと、集団で川へと狩りをしている姿が見られます。狙いは川を遡ってきたサケで、大量に溜め込んで冬眠に備えているのです。

ちなみに、メスの出産頻度は3年に一度くらいです。山の斜面などに巣穴を作って冬眠中に出産し、約2年半近く子熊と行動を共にします。

最大体重は1134kg?

記録されている最大体重は、アメリカのノースダコタ州の動物園で飼育されていたオスのクライドでした。実に1000kg以上と驚異的ですが、この記録を塗り替える1134kgのオスの個体がアラスカ州コディアック島に生息していたそうです。

一般的に、飼育個体の方が安定した食料供給と運動量の少なさから野生個体よりも重くなります。しかし、条件が揃えば野生個体が飼育個体を上回る成長を見せることもあります。

コディアックヒグマは、後ろ足で立ち上がると約3mほどです。これは、バスケットゴールと同じくらいの高さになります。私たち人間と比べると、大きさも体重もはるかに上回っていることがわかります。

出典:Kodiak Bears|North American Bear CenterNorth American Bear Center
参照:https://bear.org/kodiak-bears/

コディアックヒグマの大きさとその理由

1134kgもの個体を生むほどのコディアックヒグマが大きくなる理由とは何でしょうか。また、他の種のクマとどのくらい違うのか、日本のヒグマ・ホッキョクグマ・グリズリーを比較対象に確認してみましょう。

コディアックヒグマが大きい理由は食べ物にあった

コディアックヒグマが大きくなる理由にはさまざまな要因があり、その1つが食べ物です。

コディアック諸島周辺は、サケが多く生息している地域でもあります。そのため、産卵時期を迎えると、卵を抱えたサケが川を遡ってくるのです。遡っている間のサケたちは餌を一切口にしないため、上流へと登るほどエネルギーの消費により体に含まれる栄養素が減っていきます。

コディアックヒグマの生息地は、アラスカの沿岸部という海に近い場所です。つまり、産卵のためにやってくるサケたちは、これから川を遡っていきます。エネルギーを消費しきる前であるため、サケたちの栄養価はかなり高い状態です。これを冬眠前に狩って大量に摂取することから、野生のコディアックヒグマの中から1134kgにまで成長したのではと考えられています。

日本のヒグマと比較

日本に生息するヒグマは、別名をエゾヒグマとも呼ばれている種です。

生息地は北海道のほぼ全域ですが、そのうち一部の地方の個体群は孤立して数が少ないために、環境省のレッドリストに「絶滅のおそれのある地域個体群」として名を連ねています。森林開発などにより生息地が減少した影響もあり、餌を求めて農作物を荒らしたり、人を襲ったりする点でも問題視されています。

日本のヒグマの大きさは200〜230cmで、体重は150〜250kgです。日本における最大の陸上動物ですが、コディアックヒグマの1134kgと比較すると、圧倒的に大きさも体重も小さいことがわかります。

出典:日本に生息する2種のクマ、ツキノワグマとヒグマについて |WWFジャパン
参照:https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/2407.html

ホッキョクグマと比較

ホッキョクグマは、極寒の北極圏に生息する地上最大の肉食動物です。オスが体長200〜250cm、体重400〜600kgであり、最大800kgまで成長します。

陸生の動物でありながら泳ぎが得意で、一生のほとんどを氷で覆われた海上で過ごしているのが実情です。捕食対象は魚や水鳥をはじめ、アザラシ・セイウチ・シロイルカといった生き物も該当します。

これらの情報から、基本的にホッキョクグマの方がコディアックヒグマよりも大きいと言えるでしょう。ただし、コディアックヒグマの個体次第では、ホッキョクグマを超える1134kgもの大きさへと成長を遂げる場合があることも理解しておきましょう。

出典:ホッキョクグマの生態と、迫る危機 |WWFジャパン
参照:https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3565.html

グリズリーと比較

ハイイログマとも呼ばれるグリズリーは、ヒグマの北アメリカ亜種です。体長は150〜250cm、体重は360kgにまで成長します。

ヨーロッパからの移民が徐々に駆除を行った影響で、現在のアメリカ本土では絶滅の恐れがあるとして、グリズリーは法の保護下に置かれています。その一方で、狩猟の対象になるほど今でもグリズリーの野生個体が多く生息しているのが、カナダやアラスカです。

同じアラスカでも、グリズリーは内陸部に、コディアックヒグマは沿岸部にと生息地に違いがあります。大きさを比較した時に1134kgまでいかずともコディアックヒグマの方が巨体になるのは、上述したとおり食べ物が影響しているのでしょう。

出典:ハイイログマ(グリズリー) | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト
参照:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141218/428874/
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初回公開日:2022年10月13日

記載されている内容は2022年10月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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