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オオサンショウウオは飼育できる?生態と飼育の可否をご紹介

更新日:2024年10月01日

オオサンショウウオの生態と現状(数の減少と交雑等の問題)、飼育されている施設についてまとめました。テーマ的に小中学生が夏休みなどの自由研究等に使うこともあるのではと想定して、繁殖等やや難しめの言葉には平易な言葉で注釈を加えました。

オオサンショウウオは飼育できる?生態と飼育の可否をご紹介

東山動植物園

「イケメンゴリラ」で有名な名古屋市の東山動植物園では、自然動物館で飼育されているオオサンショウウオに会うことができます。

こちらでは外来種の「チュウゴクオオサンショウウオ」も併せて飼育・展示されており、この二つの種にどんな違いがあるのかを観察してみるものもです。

絶滅危惧種?オオサンショウウオを取り巻く現状

オオサンショウウオ の現状とは一体どういったものなのでしょうか。オオサンショウウオ は、数千年前から姿を変えず生息しており、世界最大の両生類です。

「オオサンショウウオ」は、 在来種と交雑種があります。

2種を見極めるのは非常に困難であり、特に在来種は交雑種と比較し非常に数が少なく、反対に交雑種は繁殖を抑えるために、見つけては数が増えないように隔離をし増加を防いでいる県もあります。

ここでは、オオサンショウウオ の現状についてご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

現状の数

オオサンショウウオの、はっきりとした個体数は分かっていません。

ただし、環境省レッドリスト(絶滅のおそれがある動植物のリスト)に挙げられており、絶滅危惧種に指定されています。

また、日本在来種のオオサンショウウオと、中国原産のチュウゴクオオサンショウウオとの交雑(この二つの種類のオオサンショウウオが結婚して子供がうまれること)も問題になっています。

以下は、京都・鴨川のオオサンショウウオについて、京都市が調査した結果です。

鴨川水系では,16箇所で調査を行い,84頭を捕獲した。内訳は,在来種3頭(3.6%),交雑種78頭(92.8%),外来種3頭(3.6%)であった。

出典: https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000120784.html |
なんと、92・8パーセントがすでに交雑種となっています。
こういった現象のことを「遺伝子汚染」といいます。

一緒に繁殖できるような生き物でも、細かい特徴は違っています。このままでは、野生の「純日本産」オオサンショウウオは、少なくとも鴨川水系では見られなくなってしまいかねません。

原因

そもそも、なぜオオサンショウウオの個体数は減少してしまったのでしょうか。

ひとつめの原因は、オオサンショウウオが暮らす河川環境の変化にあります。
水質が汚染されたこと、また、ダム工事や護岸工事で棲みかを奪われたことが原因です。

「オオサンショウウオの特徴」で述べましたが、オオサンショウウオは巣穴を作って暮らしています。巣穴を作ることができない場所には、棲めません。

また、環境の変化でエサとなる魚やサワガニが減ってしまっても、生きていくことができません。

さらに、繁殖(子供を産むこと)のとき、オオサンショウウオは上流の産卵場へと移動します。その移動途中に、堰などがあれば移動し産卵することもできません。

ふたつめが「遺伝子汚染」です。上の項目でも説明しましたが、チュウゴクオオサンショウウオとの交雑が問題視されています。

けれど、彼らは悪者ではありません。彼らが日本海を泳いで鴨川にたどり着いた訳ではありません。人間が、彼らを日本に連れてきました。そして飼育されていた彼らが、逃げ出したり、放流されてしまいました。

私たちにできること

オオサンショウウオの減少は、人間に大きな責任があります。

私たちにできることは、「オオサンショウウオの住んでいる環境をこれ以上悪化させないこと」です。

そのためには、「オオサンショウウオのお手伝いをすること」がたいへん重要になってきます。

上の項目で説明したとおり、オオサンショウウオは生活するための巣穴が必要です。けれど、護岸工事などで巣穴が作りにくくなってしまいました。

そこで、こんな取組みが行われています。

このため、オオサンショウウオの移転先として計画しているダム貯水池上流の生息環境の改善として、繁殖活動に必要な人工巣穴の設置を進めています。

出典: https://www.water.go.jp/kansai/kawakami/syun-joho/kankyo-... |
人工的に巣穴を作って、そこで暮らしてもらおう、という取組みです。

また、「堰によって遡上できない」ということも述べました。これに対しては、こんな取組みが行われています。

オオサンショウウオの移転先には、河川を横断している構造物が点在していることから、オオサンショウウオが移動できるように遡上路の設置を進めています。

出典: https://www.water.go.jp/kansai/kawakami/syun-joho/kankyo-... |
オオサンショウウオが堰をスムーズに上ることができるように、階段状に石を置くなどの工夫が行われています。

このような取り組みは、自治体だけでなく、一般のボランティアの手でも行われています。

オオサンショウウオの保全には、関係者間の情報交換が重要である。そのことを目的に「オオサンショウウオの会」が2004 年に設立されて48)、全国の生息地で、オオサンショウウオの保護活動が活発になってきた。本会は現在「日本オオサンショウウオの会」となり、研究者、愛護活動者、保全団体、調査関連企業、行政など11 団体と個人からなる約300 名がオオサンショウウオの保全を目的として活動している28),44)。広島県とその近辺には、安佐動物公園、北広島町の「三ちゃんす村」、島根県邑南町の「瑞穂ハンザケ自然館」の他に、島根県奥出雲町の「加食オオサンショウウオの会」、岡山県真庭市の「岡山オオサンショウウオの会」、岩国市錦町の「錦川オオサンショウウオの会」、東広島市では「東広島オオサンショウウオの会」が次々と設立され、オオサンショウウオを「町の宝」として保護するところが増えている。

出典: http://benriyamoku.lolipop.jp/index.php?%E3%82%AA%E3%82%A... |
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初回公開日:2019年08月08日

記載されている内容は2019年08月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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