ピカチュウにそっくりなウミウシの生態|名前/生息地
更新日:2024年08月07日
ピカチュウにそっくりなウミウシの生態
今、日本のダイバーの間で「ポケットモンスターに出てくるあのピカチュウに似ているウミウシがいる」と話題になっています。そのピカチュウウミウシをダイビングを始める人が現れるなど、ダイビング普及に一役買ったと言っても過言ではありません。そのウミウシはどんな種類なのでしょう。
名前・ウデフリツノザヤウミウシ
その正体は、「ウデフリツノザヤウミウシ」という名前のウミウシです。黄色い体に、体の中央にある二次鰓と呼ばれる突起は黒い縁に薄い水色の模様が特徴的です。これらの外見的な特徴が、ピカチュウのようだとダイバーの間で話題となっています。頭部から生えている触覚は、まさにピカチュウの特徴的な耳のように見えます。
このウミウシは体長5cmほどの小さな動物で、肉食から草食まで幅広いウミウシの中では藻を食べる藻食性です。ウミウシはどの種類もオスとメスの性別が明確に分かれていない雌雄同体という生殖形態をとっています。
このウミウシは体長5cmほどの小さな動物で、肉食から草食まで幅広いウミウシの中では藻を食べる藻食性です。ウミウシはどの種類もオスとメスの性別が明確に分かれていない雌雄同体という生殖形態をとっています。
生息地
このウミウシはインド洋と日本を含む西太平洋、メキシコ湾に生息しています。水深10m程度の浅瀬に生息しているため、日本の伊豆、小笠原、奄美大島、屋久島、種子島、沖縄といった、代表的なダイビングスポットで比較的に簡単に観察することができます。ダイビングスポットや観察しやすい季節については後でほどご紹介しましょう。
ピカチュウウミウシは飼育できるのか
その愛らしさや、ピカチュウに似ていることから「飼いたい」と考えている人は少なくないでしょう。しかし、このピカチュウウミウシに限らず、ウミウシは飼育がとても難しい動物です。専門的な知識を深めている、「アクアリウム」と呼ばれるサンゴ礁や熱帯魚を飼育して楽しんでいる人達でも、ウミウシは特に飼うのが難しいといわれているほどです。
なぜウミウシは飼うことが難しいのかは飼育環境、条件を整えることの難しさにあります。
なぜウミウシは飼うことが難しいのかは飼育環境、条件を整えることの難しさにあります。
まず手に入れることがほぼ不可能
今はサンゴや熱帯魚といった海の綺麗な生き物もペットショップで簡単に手に入り、水道水から海水を作ったり、酸素状態も整えることもできます。まさに家で小さな水族館が作れるようになっている時代です。
しかし、中には希少であったり、捕まえるのが困難だったりするゆえに流通していない生き物もいます。ウミウシもその一種です。ウミウシはこれらの理由より、飼うのがほぼ不可能であるため、捕まえても意味がないという点が理由です。
動物商や熱帯魚業者と交流のある生物学学芸員の人ですら、このウデフリツノザヤウミウシが流通しているという例は聞いたことがないというほどです。専門家でも流通しているのを聞いたことがないということは、一般人が手に入れることは不可能でしょう。
しかし、中には希少であったり、捕まえるのが困難だったりするゆえに流通していない生き物もいます。ウミウシもその一種です。ウミウシはこれらの理由より、飼うのがほぼ不可能であるため、捕まえても意味がないという点が理由です。
動物商や熱帯魚業者と交流のある生物学学芸員の人ですら、このウデフリツノザヤウミウシが流通しているという例は聞いたことがないというほどです。専門家でも流通しているのを聞いたことがないということは、一般人が手に入れることは不可能でしょう。
餌条件が限られている
ウミウシを飼育することの難しさは、手に入らないことだけでなく、餌の条件が他の生き物と違ってかなり難しい点にもあります。ウミウシと一言で言っても全ての種類が同じものを餌にしているわけではありません。大きく分けると肉食と草食の2つに分かれますが、肉食性でもカイメン、ヒトデ、イソギンチャク、あるいは他のウミウシを食べるものなど、種類によって細かく分かれています。
多くのウミウシは決まった餌しか食べません。つまり、カイメンを食べるウミウシはカイメンしか食べませんし、イソギンチャクを食べるウミウシはヒトデも食べるといったことはないということです。熱帯魚は熱帯魚向けに作られた人口の餌が販売されていますが、ウミウシはそれらの餌では十分に育ちません。定期的に海へ採集しなければなりません。
ウデフリツノザヤウミウシはそもそも流通していないことが飼育が不可能である最大の理由ですが、もしも手に入ったとしても、餌を海で定期的に採集することは多くの人にとっては難しいでしょう。
多くのウミウシは決まった餌しか食べません。つまり、カイメンを食べるウミウシはカイメンしか食べませんし、イソギンチャクを食べるウミウシはヒトデも食べるといったことはないということです。熱帯魚は熱帯魚向けに作られた人口の餌が販売されていますが、ウミウシはそれらの餌では十分に育ちません。定期的に海へ採集しなければなりません。
ウデフリツノザヤウミウシはそもそも流通していないことが飼育が不可能である最大の理由ですが、もしも手に入ったとしても、餌を海で定期的に採集することは多くの人にとっては難しいでしょう。
ピカチュウウミウシがダイビングで見られる場所やスポット・季節
ポケモンのピカチュウのように手に入れることはできなくても、ダイビングで観察する方法があります。比較的浅瀬に生息しているので、体験ダイビングでも見られる可能性はありますし、ライセンスを取れば定期的に高確率でピカチュウのように愛らしいウミウシを見ることができます。
そこで、国内でよくピカチュウウミウシが観察でき、有名で行きやすいダイビイングスポットをご紹介しましょう。
そこで、国内でよくピカチュウウミウシが観察でき、有名で行きやすいダイビイングスポットをご紹介しましょう。
いつ頃行けばいいの?
このウデフリツノザヤウミウシがよく見られるピークは晩秋から春とされています。特に、初夏は産卵シーズンのため、動きが活発になり、一匹に限らず何匹か集まっている様子を見られる可能性があります。
初回公開日:2017年11月20日
記載されている内容は2022年11月16日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。