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【オス・メス別】キジの鳴き声と種類・鳴き声の対策方法

初回公開日:2017年11月06日

更新日:2020年03月05日

記載されている内容は2017年11月06日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

キジは、昔話や民間伝承、ことわざなどに登場する、日本に馴染みが深い鳥です。しかし近年、キジがどのような鳥か知っていても、実際にキジを見たことがなく、鳴き声も知らないという人が多くいます。今回は、キジの生態や鳴き声、鳴き声にまつわる伝承などを紹介します。

【オス・メス別】キジの鳴き声と種類・鳴き声の対策方法

日本の国鳥・キジ

キジは、昔話の「桃太郎」のお供として登場したり、一万円札の裏に描かれていたりと、日本人にとって馴染み深い鳥です。しかし、近年は実際にキジを見たことがあるという人は少なく、どのようなところに生息し、どのような鳴き声なのか知らないという話もよく聞かれます。

今回は、キジの鳴き声の種類や生態、鳴き声にまつわる民間伝承や俗説、そしてキジの鳴き声がうるさいときの対策などをご紹介します。

キジはどんな鳥?

実際の野生のキジはどのような鳥なのか、生息地や生態、特徴など詳しくご紹介します。

生息地

キジは、北海道と対馬を除く本州、四国、九州に生息する鳥類です。日本固有種のほか、ユーラシア大陸原産のコウライキジが狩猟目的で放鳥され、野生化しています。

もともと日本には、東北地方に生息するキタキジ、本州・四国に生息するトウカイキジ、紀伊半島に生息するシマキジ、九州に生息するキュウシュウキジの4亜種が分布していましたが、狩猟目的で放たれた養殖キジとの混血が進み、特性が徐々に薄れつつあります。

特徴

オスは全長80センチほど、体重は0.8〜1.1キロほど、メスは全長58センチ、体重は0.6〜0.9キロほどで、比較的重量が重い鳥です。コウライキジはこれより一回り大きくなります。重量の割に翼が小さいため、飛ぶことは苦手ですが脚力が発達しています。走るスピードはとても速く、スピードガン測定では最高時速32キロという記録が出ています。

オスは翼と尾羽は茶褐色、背に茶褐色の班があり、それ以外の体色は独特の美しい緑色で、頭頂部は青緑色、目の周りに赤い肉腫があるのが特徴で、全体的に鮮やかな色をしています。コウライキジのオスはこの特徴に加え、首に白い模様があります。

メスは全体的に茶褐色をしており、ヤマドリと似ていますが、ヤマドリより若干白っぽい色をしており、尾羽が長いのが特徴です。メスはオスに比べて地味な体色ですが、これは雛を守り育てるための保護色としての役割を持っています。

生態

山地や林、農耕地、河川敷などの明るい草地に生息しています。草むらや藪に姿を隠していることがあります。雑食性で、植物の芽や種、葉、昆虫やクモ、ミミズ、ヘビなど、地上にあるものはなんでも捕食して食べます。鋭い爪で地面を掘り返し、作物を荒らすこともあります。

飛ぶことが苦手で地上で暮らしているため天敵は多く、タカやワシなどの猛禽類や、キツネ、イタチ、野良犬や野良猫が主な天敵です。

キジのオスは特定の相手とカップルになることはなく、縄張りに出入りする複数のメスと乱婚になる傾向があります。子育てはメスだけが行い、4〜7月にかけて平均6〜12個ほど卵を産みます。しかし、地上に生息する鳥なので雛の生存率は低く、大半が成鳥になる前に天敵に捕食されてしまいます。

狩猟、食肉

キジは世界中で主要な狩猟鳥とされており、日本もキジは狩猟対象とされています。肉は食用として重宝されており、日本では古くは平安時代から「トリ肉といえばキジ肉」と言われるほどよく食され、フランスではコウライキジの肉はジビエ料理として使われています。国鳥は狩猟を禁じている国が多い中、国鳥であるキジを狩猟対象にしている国は世界中でも日本のみです。

キジにまつわることわざ、エピソード

近年キジは、都会や人が多く住む地域では見ることが難しい鳥です。しかし、昔は人里近辺にも生息しており、人家の近くを歩き回る姿を頻繁に見ることができたポピュラーな鳥でした。そのため、古くからキジは人々に親しまれており、日本の国鳥に選ばれたり、キジに関することわざも残されています。

国鳥

昭和22年、日本鳥学会において圧倒的多数意見でキジが日本の国鳥に選ばれました。キジが選出された理由は、「日本固有種であること」です。

タンチョウやトキなど、多数の鳥が候補になりましたが、キジは渡り鳥ではなく日本に定住する鳥であることと、昔話などに登場し人々の間で親しまれていること、そして、古くから食用の肉として多くの人に好まれていることなどが選出の決定打となりました。現在はキジ肉を食べる機会はとても少ないですが、昔はキジと人々の距離が近かったことを表すエピソードだと言えます。

キジが登場することわざ

「頭隠して尻隠さず」ということわざは、キジは追われると草むらの中に頭を突っ込んで隠れたつもりでいても、長い尾が見えてしまっている様子から、「隠したつもりでも、実は丸見えになっている」という滑稽さを表すことわざになったと言われています。

また、少人数で大人数にはかなわない様子を表した「多勢に無勢」ということわざは、弱い者と強い者の対比を表す表現を加えて「多勢に無勢、雉と鷹」という言葉が続く場合もあります。

「焼け野の雉子、夜の鶴 」ということわざは、住んでいる野が火事になったキジが、自分の命に代えても子を守ろうとし、寒い夜に自分の羽で子を温めるツルのように、我が子を思う愛情深い親を表していることわざです。

キジの鳴き声

1月15日〜19日頃は、七十二候で「雉始雊(きじはじめてなく)」と言い、まだ寒い時期ですが、キジがメスを求めて鳴き始め、春の兆しを感じる様子を表しています。また、キジが鳴き声を上げる様子にさまざまな心情を投影した俳句や和歌が詠まれていたり、民間伝承にもキジの鳴き声に関する記述が数多く残されています。

しかし、キジを見る機会がなく、キジがどのように鳴くのかピンとこない人も多いでしょう。実際にどのような鳴き声をしているのか、動画で聞いてみましょう。

オス

キジのオスは、金属音に似た独特の甲高い音鳴き声をしています。特徴的な鳴き声に加えて、音量も大きく高い音なので、キジが遠くにいてもよく聞こえます。繁殖期以外のキジは大人しい性格をしており、あまり鳴き声を上げない傾向があります。

メス

キジのメスの鳴き声は、オスに比べると音量が小さく控えめな印象があります。しかし、天敵に襲われたときなどは、大きな鳴き声で威嚇することもあります。

キジの鳴き声の種類

ケーン

「ケーン」というキジの鳴き声は、オスの鳴き声でポピュラーなもので、慣用句の「けんもほろろ」の語源になっていると言われています。「けん」はキジの鳴き声、「ほろろ」はキジの羽音を表し、鳴くその様子が無愛想に見えたことが由来になっている、という説が有力視されています。

ケンケン

「ケンケン」と何度もけたたましく鳴く場合は、身の危険を感じたときや、天敵に対して威嚇をしているときなど、脅威を感じているときに多く聞かれる鳴き声です。

地震の時のキジの鳴き声

キジは古くから地震や自然災害を予知する能力があると言われており、「雉がつづけて三度叫ぶと地震あり」「朝雉が鳴くは晴れ、夜鳴くは地震の兆(きざし)」「雉がしきりに鳴くと地震あり」「雉、鶏が不時に鳴けば地震あり」「地震直後に雉が鳴かない時は、再び大地震が来る」などのような民間伝承があります。

多くの文献にも「地震が起こる前にキジが鳴き声を上げて騒いでいた」という記録が残されており、多数の死傷者を出した江戸時代の善光寺地震の記録にも、「キジが地震が起こる前日に鳴き続けていた」という記述が見られます。

キジには、足の裏に微細な振動を感知する感覚細胞があり、人間よりも数秒早く地震の振動を感知できることが科学的に証明されています。キジは普段はあまり鳴き声を上げない鳥ですが、地震や自然災害が起こる前には、鳴き声を上げて騒ぐという記録が数多く残されているので、地震予知や防災に役立つ可能性がある鳥だと言えます。

キジの鳴き声からわかる意味

キジは自然災害や地震を察知し、鳴き声を上げて危険を知らせてくれる吉鳥、と言われる一方、キジが鳴き声をあげると不吉と言われる伝承や記述も残されています。

「雉も泣かずば撃たれまい」ということわざは、「長柄の人柱」という悲しい日本民話が元となっていると言われています。娘が余計なことを口走ってしまったがため、父が人柱にされてしまい、その数年後、鳴き声を聞いて撃たれたキジを見て娘が詠んだ、「者岩時(ものいわじ) 父は長柄の人柱 鳴かずば雉も 射たれざらまし」という短歌が由来とされています。

古事記にも、一向に役目を果たさない天若日子の元に、天照大神が雉名鳴女 (きぎすななきめ)というキジを使者にし、真意を問いただすよう命じるのですが、天若日子は「この鳥の鳴き声は不吉だ」といい雉名鳴女を射殺してしまう、という話が見られます。

このほかにも、古事記にはキジを葬式のときに悲しみを表現する哭女(なきめ)とした、という記述も見られます。危険を知らせる吉鳥とされる一方、不吉と言われたりと、キジが鳴き声は両極端な意味を併せ持っていると言えます。

夜のキジの鳴き声対策

「朝雉が鳴くは晴れ、夜鳴くは地震の兆(きざし)」という民間伝承がありますが、実際に夜にキジが鳴いていた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

うるさい

キジは非繁殖期であれば昼夜はあまり鳴かない鳥で、多くの鳥類と同じように朝方に鳴く傾向があります。しかし、「夜キジが鳴き声を上げて騒いでいる」という話も稀に聞かれます。

伝承を知っている人は、「夜にキジが鳴いているから地震が来るのかも」とちょっと焦ってしまいますが、記述によると、「キジが鳴いた次の日に地震が起こった」というケースや、「キジが鳴いて数秒後に揺れた」というケースなど、さまざまなパターンがあります。まずは落ち着いて、気象情報を確認しましょう。

地震や気象の変化が原因でない場合は、縄張り争いをしているために鳴いている、ということが考えられます。また、夜行性のキツネや野良猫などに襲われたため、威嚇のために鳴いている可能性もあります。そのような場合は一過性で日にちが経てば大人しくなりますが、何日にも渡って異常に騒いでいるのであれば、鳥用の忌避グッズを設置したり、専門家や業者に問い合わせましょう。

キジの鳴き声を聞いてみましょう

今回は、キジの鳴き声の種類や生態、鳴き声にまつわる伝承などについてご紹介しました。いかがでしたでしょうか。

キジは昔はとても身近な鳥でしたが、近年は環境の変化などにより、実際のキジの鳴き声を聞く機会が減少してしまいました。しかし、キジは今でも郊外の里山や林などの自然豊かな地域に生息しています。春〜初夏にかけてキジの繁殖期なので、キジがよく鳴くシーズンです。アウトドアやレジャーなどで自然豊かな場所に訪れた際には、耳をすましてキジの鳴き声を聞いてみましょう。

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